シチズン時計株式会社(以下、シチズン)が、基幹技術である光発電エコ・ドライブが搭載された腕時計のポリカーボネート文字板の素材を、原則、再生ポリカーボネート(100%リサイクル材を使用)に切り替えます(技術的に難しい場合を除く)。
2025年春から、再生ポリカーボネート製の文字板を採用した新製品が順次発売されます。
エコ・ドライブとは、太陽光や室内のわずかな光を電気に換えて時計を動かし続ける、シチズン独自の技術で、シチズンブランドの腕時計のうち、7割以上がエコ・ドライブを搭載しています。エコ・ドライブの多くのモデルでは、文字板の下にソーラーセルがあります。ソーラーセルに光を届けるため、文字板は光を透過させる素材にする必要があり、多くはポリカーボネートを使用しています(一部白蝶貝、和紙などもあり)。
シチズンは、持続可能な社会の実現に向けて、サステナブル素材の採用を拡大しており、これまで廃棄予定であったパイナップルの葉やリンゴの皮などを使用した植物由来の合成皮革のバンドの採用、また国内時計メーカーとして初めて、「レザーワーキンググループ(LWG)」に加盟し、腕時計のバンドの多くは、LWG認証を得ているタンナー(製革業者)から仕入れた革を積極的に採用しています。
さらなる取り組みとしてシチズンは、エコ・ドライブというシチズンの基幹技術を搭載する製品の文字板をサステナブル素材とすることを目指し、2020年に開発を開始。時計の顔である文字板に必要とされる耐久性や光透過率、外観の美しさなどにおいて、従来品と変わらない品質を再生ポリカーボネートで実現しました。2023年から限定品など一部新製品の文字板への採用が開始されましたが、近年の脱炭素への意識の高まりを受け、原則、エコ・ドライブ搭載の新製品におけるポリカーボネートの文字板を再生ポリカーボネートに切り替えることにしました(技術的に難しい場合を除く)。
100%リサイクル材を使用した再生ポリカーボネートに切り替えることにより、当該部品におけるCO2排出量を約90%削減することができます。シチズンは今後、2025年度までに国内・海外で発売されるエコ・ドライブを搭載した新製品のうち50%のモデルの文字板に再生ポリカーボネートを採用、2027年度には80%採用を目指しています。
シチズンでは、今後も再生ポリカーボネートを含むサステナブル素材の採用が積極的に進められていきます。